富士山二合目に自生するスズ竹を利用した富士河口湖町勝山の『甲州郡内ザル』。山梨県の伝統工芸品としても指定されているこの製品は甲斐国志(1814年成立)にも記述が残っており、当時から生活用品や地場の物産として広く利用されていたことが伺える。五升ザル、一升ザル、大〜小おざら等々。軽さや水切りの良さからもさることながら、丈夫で長持ちといった耐久性が特徴。そば職人に愛好家が多いとか。日常での利用以外にも、戦中は行軍時の防暑帽体(写真前列中央)として月間二万個もの生産量があったという記述も残る。ちなみに現在の生産数は年間で二千個ほどで、その大半は東京や神奈川に出荷される。
 この伝統工芸の技術を受け継ぐのは、勝山ふれあいセンター内にあるスズ竹伝統工芸センターの会員約30名。材料のスズ竹を切り出し、細長くさいて利用できる状態に加工、編み上げるという工程を全て行えるようになって一人前。二〜三年の年月が必要というが、それでもこの天然素材で出来た温もりのある伝統工芸を残そうと、見学や体験、技術指導を随時行っている(月曜日定休)。郡内ザルに魅力を感じ、県外から定期的に技術を学びに来るメンバーも存在。製品もバッグや室内装飾品など幅を広げており、新しい可能性にも挑戦している。地域の生活を支えたこれら伝統工芸品は、現在、道の駅かつやまなどで販売している。
商品名
甲州郡内ザル
製造 スズ竹伝統工芸センター
山梨県南都留郡富士河口湖町勝山1006
0555-83-2111

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