鳴沢を舞台にこれからの農業のあり方を提案

 近代農業とは違う農業のあり方を模索し、独自の農法に取り組んでいる鳴沢村の『オルタ農園』。単一作物を大量にという生産性重視の近代農法が、一方で農薬や化学肥料、機械化によるコスト増といった負の面も生んだ。若者が農業に振り向くために新しい農業の在り方を、というのが同農園代表・萱場和雄の活動の根底にある。
 若者が食べていける農業。この目標に向けて、萱場さんが壮大な実験を試みているのが“農地に森を”という考え方。多種多様な樹木で構成された森は、手を加えずとも生態系を維持している。畑も多種多様な品種を組み合わせて栽培することで、土の力が回復し、農薬や化学肥料は無くとも野菜は生育するというのがその内容。あくまでも持論に基づいた仮説ではあるが、現在この持論が着実な手応えとなっている。3年前には思い切って有機肥料も止めてみたが、作物は今年も順調に育っている。作物の植える場所をローテーションしたり、虫のつきやすい作物には香りの強い野菜を近くに植えるなど昔ながらの知恵もフル活用。こうして出来た野菜は味や香りなどでそれぞれの個性を発揮しており、まさに野菜自身が逞しくなった、とさえ表現できる。
 オルタ農園には、この野菜に惹かれた地元料理店の店主達も通う。配達はしないので自ら足を運ぶのだが、その時間をかける価値があるという。「買いに来た時に農園にあるものなら売る。どう使うかは君達の腕次第、と店主達に伝えている。」、そう萱場さんは笑う。自然の力を生かした農法では“旬”も大事な要素なため、いつでも欲しい野菜が手に入るとは限らないのだ。その代わりに、サラダで美味しい春菊やハンバーガー以上に味が引き立つレタス等々、新しい発見や驚きを食べた人に提供することも多々あるという。農場まで足を運べば、一般の方でも購入は可能。興味のある方は事前に連絡を。
オルタ農園
山梨県南都留郡鳴沢村5451-60 0555-85-2029
E-mail tkazu@hyper.ocn.ne.jp

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